3月9日「君たちの未来に幸多かれ」

去る3月8日（火曜日）に、本校第69回卒業証書授与式が挙行されました。岡本章九度山町長さんをはじめたくさんの来賓の皆様がご臨席の中、23名の卒業生が三年間慣れ親しんだ学舎を巣立っていきました。

保護者の皆様の胸中を察するに、今日までの子育てのさまざまな場面が思い出されて感慨ひとしおのことでしょう。お子様のご卒業おめでとうございます。

卒業生の皆様には式辞で、一つの言葉を贈りました。

「己の欲せざるところは人に施すことなかれ。」

「自分のしてほしくないようなことは人にしてはいけない。」という意味です。国語の授業で勉強した「論語」の中の一節ですが、その「論語」とは約二千五百年前に中国の思想家である孔子とその弟子たちの言行を記録した書物です。

仲由（ちゅうゆう）という弟子が先生である孔子に「先生、『仁』とはどういうことでしょうか。」と尋ねたところ、孔子が応えた言葉の一部が「己の欲せざるところは、人に施すことなかれ。」です。この言葉が示すように、人への思いやりや優しさを、いかなる場面でも忘れることのない人になってほしいという願いを込めました。これからの人生の中で、この心がけが大きく生かされることとなるはずです。卒業してゆく皆さんの未来に幸多かれと祈念して……。

2016年3月9日（水曜日）　大野